■ make は「作る」だけではありません。
  「“素材”をもとに作り変える」もお忘れなく。

はじめに
なぜ英語が出て
 こないのでしょうか?
英語的発想に
      近づくために
 ◇超基本動詞1 have@
 ◇超基本動詞2 haveA
 ◇超基本動詞3 get
 超基本動詞4 make
 ◇超基本動詞5 take@
 ◇超基本動詞6 takeA
おすすめ自主トレ方法1
おすすめ自主トレ方法2
make という単語は特に女性の方にはお化粧の「メーク(メイク)」でおなじみですね。

ところで日本語でメーキャップとも言う「化粧(する)」はmake up です。
このmake up には、「いくつかの部分やパーツを組み立てて全体を作り上げる」 という意味があります。お化粧のイメージにぴったりですね。

とにかく make は「作る」 という意味でよく知られた単語です。
この make 、使い方によっては大変便利な単語です。
では、そのはたらきを見てみましょう。

◆ makeの本来のはたらきは、「素材をもとに何かを作る、または別の性質にする」

make にこんなイメージをもってください。

  

何か「素材」となるものにはたらきかけて、何かを作ったりその性質を変えたりする、というイメージです。
ただし「素材」が表れない場合もあります。
「〜を作る(作った)。」というやさしいタイプです。

I made a desk..(机を作った。)
I made a poem. (詩を書いた。)
I made a plan.(計画を立てた。)

※製品の素材(原材料)を明示するときは次のように表現します。
  We make wine from grapes. ワインはぶどうで作る。
  (原材料の性質が変化する場合→from)
  I made this desk of wood. この机を木で作った。
  (原材料の性質が変化しない場合→of)


というように簡単ですね。     

ただし…、
ここでmakeに隠された大事なポイントを確認してほしいのです。

そもそも「作る」という言葉は重みのある言葉です。
「机を作った。」という例文をあげましたが、ちょっと考えてください。机を作るって実はけっこう大変な作業ですよね。材料を準備しなければいけませんし時間も労力もかかります。

何にしても「作る」ということは必ず労力(時には費用も)を要することです。
make の背景には「能力」・「労力」・「手間ひま」・「準備」などが必ずあります。
                                               
ですから、「誰かに…を〜する。」という場合、多くの動詞がtoを使うのに対して、makeは for を使います。必ず何かを費やすので 「○○のために」 という気持ちが入るのです。

I'll give this book to you. この本君にあげるよ。
I showed my pictures to him. 彼に私の写真を見せた。
I made this for you. これ君に作ったんだ。


ところで、今あなたがある歌を聴いて微笑んだとしましょう。
このことを日本語の発想で表現すると「私はその歌を聴いて(聴いたので)、微笑んだ。」となりますが、英語ではよく「その歌は私を微笑ませた。」と発想します。
make のはたらきで重要なのは、この表現です。

make の本来のはたらきはこうでした。
  
 
これにあてはめると
  
It (This song) made  me  smile.
  
「それ」は「私」(素材)を「微笑む」状態にした。→微笑ませた

もし It が歌なら、「その歌は私をほほえませた。」と訳しても、「私はその歌を聴いてほほえんだ。」と訳してもかまいません。

この表現は、大変便利です。
というのも、これは <原因→結果> を簡単に表現できるからです。日常会話でも <原因→結果> の表現は非常に多いですね。
【何かをした】 または【何かの作用】<原因>→ 【ある変化が起きた】 <結果> というパターンです。

例えば、あなたがある知らせを聞いて(原因)悲しんだ(結果)、としましょう。
これを日本語の発想で表現すると、「私はその知らせを聞いて(聞いたので)、悲しくなった。」、などとなりますが英語ではよく 「その知らせが私を悲しませた。」 と発想します。

The news made me sad.

いくつかの例文を見てみましょう。

This book made me cheer up (cheerful).  この本を読んで元気が出たよ。
Talking with you makes me
happy.  君と話すと楽しくなるよ。
His speech made me
sleepy.  彼の話を聞いてると眠くなった。
That word made him
angry.  あの一言が彼を怒らせた。
This drink makes me
fresh.  これを飲むとすっきりするんだ。
That movie made me
laugh.  あの映画は笑ったね。

ところで、各英文の最後の言葉(緑の部分)に注目してください。形容詞と動詞ですね。
「どうなったか」という<結果>の部分には形容詞か動詞の原型をもってくればいいのです。
さらに…
名詞をもってきてもOKです。

He made her his wife. 彼は彼女を妻にした。
※makeの背景を思い出してください。「彼」は「労力」を要したはずです(笑)。
                                 
He made me a good player. 彼のおかげでうまくなれたんだ。(彼は私を良い選手にした。)

make の便利なはたらきをまとめましょう。

● make ■ ▲(形容詞・動詞・名詞).→ ● は ■ を ▲ にする。

make には、すぐ後に行為を表す名詞をとって 「〜をする」 を表すはたらきもあります。
もう一つ、知っておくと役に立つ make のはたらきです。
make a mistake で、「間違いをする」、という用法です。
この用法はいくつかの例を熟語として覚えてもいいですね。

make a mistake 間違いをする(おかす)
make a progress 進歩する
make an attempt 試みる
make an effort 努力する
make a shift やりくりする
make a journey 旅行する
make a battle 戦う
make a start (準備して)出発する


とても便利ですね。make の後に行為を表す名詞をもってくればいいのです。
ただし、ちょっと注意してほしいポイントがあります。
つぎの問題を考えてみてください。
次の@〜Bの中で、表現としてはおかしいものが一つあります。それはどれでしょう。

@ make an error 誤りをおかす
A make a walk 散歩する
B make a success 成功する




答えはAです。散歩するは take a walk と言います。
ここでも make の背景を思い出しましょう。「能力」・「労力」・「手間ひま」・「準備」でしたね。これがポイントです。
何の準備もせずにフラッと出かけることのできる散歩は make には適さないのです。
@の make an error を考えてみましょう。
これは make a mistake と基本的に同じです。
誰も好んで「エラー」はしませんね。それなりの努力や準備をもとにうまく事を運ぼうとしておかしてしまうのがエラーや間違いです。ですから make an error は make にはぴったりの表現です。
Bの make a success が正しいのもおわかりですね。努力や準備なくして成功はないですよね。
Make an effort, and it will make you a good English speaker !

「超基本動詞」、次は take です。

Home