■ take は日本語の「とる」と驚くほど共通性があります。

はじめに
なぜ英語が出て
 こないのでしょうか?
英語的発想に
      近づくために
 ◇超基本動詞1 have@
 ◇超基本動詞2 haveA
 ◇超基本動詞3 get
 ◇超基本動詞4 make
 ◇超基本動詞5 take@
 超基本動詞6 takeA
おすすめ自主トレ方法1
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take のもっとも基本的なはたらきは 「取る つかむ 握る」 でした。
ここでは 「とる」 という日本語に注目してください。日本語で 「とる」 という言葉は実に多くの意味を持っています。
「とる」を漢字にしてみましょう。

取る/撮る/採る/執る/捕る/盗る/摂る/録る/獲る

実は、この漢字の意味がすべて take で表現可能なのです。
私たちは日常生活で「〜をとる」という表現を非常に多く使っていますが、 take は驚くほどこの使い方と共通点があります。

日本語の「とる」の具体的な例を見てみましょう。

新聞をとる(購読する)/写真をとる(撮る)/賞をとる/栄養をとる(摂る)
〜の形をとる/(ある)行動をとる/ノートをとる/責任をとる/(ある)態度をとる
指揮をとる(執る)/記録をとる/獲物をとる(獲る)/時間をとる/場所をとる
席をとる/休暇をとる/脈をとる/寸法をとる/労をとる/(ある)手段や方法をとる
(ある)見解をとる/(〜だと)受けとる(=思う)/資格をとる/給料をとる
嫁(むこ)にとる/指紋をとる

ここにあげた例文はすべて take で表現可能です。
では、この中でいくつか重要な表現を取り上げて、take のはたらきをさらに考えてみましょう。

「写真を撮る」 の take は 「写しとる」
似顔絵や肖像画を描く、というとき英語ではよく take を用います。

take a likeness 肖像画(似顔絵)を描く

つまりtake には draw や paint に似た「描く」という意味があります。
ただ、take が draw や paint と違うのは、take の「描く」は、ある対象やモデルがあって、それを「写しとる」 というイメージです。
肖像画を描くということは、モデルの「写し」をそっくりキャンバスに「とる」、という発想ですね。「ノートをとる( take notes )」という場合もやはり 「写しとる」 が基本なのです。

「写真を撮る」 というのも同じ発想です。


時間の take → 「時間がかかる」 は 「時間をとる」 と考える
英語では、時間がかかるという表現を、たくさんある時間からある部分的な時間を「とる」 と発想します。日本語でも「少し時間とれますか。」 のように「時間をとる」 という言い方がありますね。
この場合の「とる」 は、「必要とする」 ということです。
「この新製品は場所をとりません。」 などという場合の「とる」 です。

例えば、「そこに行くのに10分かかった。」 という場合、英語では
It took ten minutes to go there. となります。
※ It は形式的に用います。

つまり、「そこに行く」 という行為が、たくさんある時間から
10分という部分を必要とした、というわけです。
        
It took me only two days to finish the work. 
(私が)その仕事を仕上げるのに2日しかかからなかった。


How long does it take from here to the town by car?
ここからその町まで車でどれくらい(時間が)かかりますか。


ある行動をとる=ある行動を選ぶ→ある行動をする・行う
「ある行動をとる」という表現があります。
これは、その行動を選ぶ、と考えることができます。
take には「選ぶ」・「採用する」 を表すはたらきがありましたね。(複数のものから何かを取る)
これをあなた自身の行動にあてはめてみましょう。

あなたが入浴したとします。
この場合、あなたは他のいくつかの行動の中から 「入浴 bath」 という行動を選んだ、と考えることができますね。
そこで、入浴することを take a bath と表すわけです。      

このように「take+行動を表す名詞」 の形で、「〜をする」 という表現が可能になります。

take a walk 散歩する
take an examination 試験を受ける
take a look around あたりを見回す
take a nap うたた寝をする
take care 注意(用心)する
take notice (of) (に)注意を払う・(を)心に留める


このタイプと似た表現に次のような表現もあります。

take pains 骨を折る      
take trouble 労をとる 
  
take prudence 大事をとる       
take it easy は 「気楽に受けとる」→「のんきに構える」


「悪くとる」・「良くとる」 という言い方があります。
「私の言うことを悪くとらないでね。」 というように。
この場合の 「とる」 は 「〜と思う」 「〜と解する」 「〜と受けとる」 ということですね。
take にも全く同じ用法があります。
あなたも何度か耳にしたことのある take it easy という表現は、「 it 」 を 気楽に受けとる、ということです。ここから、「のんきに構える」 とか 「のんびりやる」 という意味になるわけです。

Take it easy ! くよくよするなよ。
※ しばしば別れのあいさつ代わりに 「じゃあね」 という感じで使われることもあります。
I took his words well (kindly). 彼の言葉をよく(善意に)とった。
I took it pretty hard. 僕にはかなりつらかったよ。


この take のはたらきを用いて
「 take A for B 」 とすると、「(まちがって) A を B と思う 」 となります。
※この場合の for は「〜として」 を表す for です。

He took me for the rich. 彼は私をお金持ちと思った。
(彼は私をお金持ちとして受けとった)
He took her for my sisiter. 彼は彼女を私の妹だと思った。


さて、いかがでしたか。
take の理解でまた一段と表現力が増しましたね。

「英語的発想に近づくために」というテーマで学んできた「超重要動詞」のはたらきについてはこれで終了です。
たった4つの単語でしたが、その重要度を知っていただけたでしょうか。

今度はあなたが使う番です。

次は、自主トレ方法の紹介です。


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